C-Pro シープロ海外公演事務局
Concert-Projects Intercultural Events Coordination
Requiem 死者のためのミサ曲(Missa pro defunctis)
注)対訳及び注釈は、C-Pro独自の解釈によるものです。研究者、作曲者、指揮者により異なる解釈を持つことが多々あります。あくまで参考資料としてご活用ください。
モーツァルト、ヴェルディ、フォーレ、デュリュフレのレクイエムにおいて合唱が歌う歌詞に逐語訳を追加しました。
1. Introitus ☆入祭唱☆
死者の永遠の安息への祈り。
Requiem aeternam dona eis, Domine, 主よ、彼らに永遠の安息を与えてください
安息 永遠の 与える 彼らに 主
et lux perpetua luceat eis. そして絶えることのない光が彼らを照らしますように
そして 光 絶えない 照らす 彼らを
Te decet hymnus, Deus, in Sion, 神よ、あなたはシオンにおいて賛美されるものです
あなた 似合う 讃歌 主 シオンの
et tibi reddetur votum in Jerusalem. そしてエルサレムであなたに誓いが捧げられるでしょう
そして あなたに 捧げる 誓い エルサレムで
Exaudi orationem meamどうか私の祈りを聞き入れてください
聞く 祈り 私の
ad te omnis caro veniet. すべての人の肉体が、主のもとへと戻ることが出来ますように
~に あなた 全ての 肉体 行く
2. Kyrie ☆憐みの讃歌☆
三位一体を象徴して、神とキリストと聖霊に憐れみを乞う。ギリシャ正教の祈りから転用された文章のため、ここだけはラテン語ではなく、ギリシャ語が使用されている。
Kyrie eleison. Christe eleison. Kyrie eleison. 主よ、憐れんでください。キリストよ、私たちを顧みてください
主 憐れみを キリスト 憐れみを
3. Sequentia ☆続唱☆
13世紀になってから作詞された文章で当初修道士たちが個人的なミサを行うために用いられたため、祈りの対象が「彼ら」ではなく「私」となっているのが特徴。
レクイエムの歌詞に取り入れる際、全体の整合性を持たせるため終曲(Lacrimosa)の最後で「彼ら(死者一般)」に向けての祈りの言葉が加えられた。
Dies irae(怒りの日)
世界が滅ぶ時、死者が一斉に呼ばれ裁かれる日(最後の審判)が来ることを指す。
Dies irae, dies illa, solvet saeclum in favilla その日は怒りの日。この世は破壊され灰となるでしょう
日 怒り 日 その 解き放つ この世 灰に
teste David cum Sibylla. ダヴィデとシビラが証言したよう
証言 ダヴィデ と シビラ
Quantus tremor est futurus, 人々の恐れはどれほどのものになるのだろうか!
どれほど 震える である 未来
quando judex est venturus, 裁く者がやがて現れる時
の時 裁く者 である 来るであろう
cuncta stricte discusurus. 審判の日に、すべてのことが厳しく裁かれる時に
全てを 厳しく 裁く
Tuba mirum(奇しきラッパの音)
罪を犯さない人間はいない、つまりすべての人間が裁かれる。すべての人間の行い・罪は「生命の書」に記され、だれも言い逃れることは出来ないことを述べる言葉。
Tuba mirum spargens sonum 奇なるラッパの響きが
ラッパ 奇異な 響き渡る 音
per sepulchra regionum 各地の墓から
沿って 墓 世界中の
coget omnes ante thronum. すべての者を玉座の前に集めるでしょう
集める 全ての の前に 玉座
Mors stupebit et natura 創造物である人間が
cum resurget creatura 裁く者に弁明するために復活するその時
judicanti responsura.死も、そして自然も驚くでしょう
Liber scriptus proferetur 書物がさしだされるでしょう
in quo totum continetur すべてのことが書き記され
unde mundus judicetur. この世のすべてを裁くための書物が
Judex ergo cum sedebit 審判者がその座に着く時
quidquid latet, apparebit. 隠されていたことのすべては明らかにされ
Nil inultum remanebit. 罰せられずに残る者は一人もないのです
Quid sum miser tunc dicturus? その時哀れな私は何を言えば良いのでしょう?
Quem patronum rogaturus? 誰に弁護を頼めば良いのでしょう?
Cum vix justus sit securus. 正しい行いをしてきた者ですら安心出来ない、その時に
Rex tremendae(偉大なる大王)
Rex tremendae majestatis, 恐るべき偉大なる王よ
大王 恐るべき 偉大な
qui salvandos salvas gratis. 救われるべき人を、恵みをもって救ってくださるお方よ
の人 救われるべき 救う 恵みをもって
Salva me, fons pietatis. 慈悲の泉のお方よ、私をお救いください
救う 私を 泉 慈悲
Recordare(思い出されよ)
この章は、神ではなくキリストに向けての祈り。キリストがわざわざ地に下り、一度は人間の罪が赦されるよう(せっかく)あれほどの苦しみを受けてくださったのだから、最後の審判でも自分たちの罪が赦されるようにと、懸命に祈る人間の性を表している、もっとも人間的な内容と言える。
Recordare Jesu pie, 思い出してください、慈悲深きイエスよ
quod sum causa tuae viae, あなたが地に下ったのは私たちのためであるということを
ne me perdas illa die. 審判の日に、私を滅ぼしませんように!
Quaerens me, sedisti lassus. 私を探してあなたは疲れ、座り込まれました
Redemisti crucem passus. 十字架に苦しみ、私の罪を贖って下さった
Tantus labor non sit cassus. これほどのあなたの辛苦が無駄になりませんように!
Juste judex ultionis, 裁きをもたらす正しき審判者よ!
donum fac remissionis 最後の審判の日の前に
ante diem rationis. 赦しの恩寵をお与えください
Ingemisco, tamquam reus 私は罪人のように嘆き
culpa rubet vultus meus. 罪で顔を赤らめます
Supplicanti parce Deus. 神よ、許しを請う者に慈悲をお与えください
Qui Mariam absolvisti, マグダラのマリアを許し
et latronem exaudisti, 盗賊(マタイ)の願いをもお聞き入れになったあなたは
mihi quoque spem dedisti 私にも希望を与えられました
Preces meæ non sunt dignae. 私の祈りなど価値のないものですが
Sed tu bonus fac benigne 寛大に取り計らってください
Ne perenni cremer igne.私が永遠の炎に焼かれないように、
Inter oves locum praesta, 私を羊の群れに置き
et ab haedis me sequestra, 山羊たちを遠ざけてください
statuens in parte dextra 私をあなたの右側においてください
Confutatis(呪われし者)
他の人間が裁きを受けても、自分のことだけは救ってもらえるように祈る言葉となっている。
Confutatis maledictis 呪われた者、口を封じられた者たちに
口を塞がれた 呪われた
flammis acribus addictis, 激しい火による判決が下された後
炎による 厳しい 判決がくだされる
voca me cum benedictis 祝福された者と共に、私をお呼び下さい
呼ぶ 私を 一緒に 祝福された者
Oro supplex et acclinis 私はひざまづき、平伏して希います
請う 膝を屈して そして 平伏して
cor contritum quasi cinis 私の心は灰のように砕かれていますが
心 砕かれた のように 灰
gere curam mei finis 私の終いの時にお守り下さい
身に着ける 注意 私の 終わり
Lacrimosa(涙の日)
罪人として裁きを受けたとしても蘇ることが出来るように、と祈る言葉。
Lacrimosa dies illa, その日は涙あふれる日
涙が溢れるような 日 その
qua resurget ex favilla, 燃える灰の中からよみがえるだろう
の時 蘇る から 燃える灰
Judicandus homo reus. 裁きを受けるべき罪人は
裁きを受けるべき 人 罪人
Huic ergo parce Deus. その者をお許しください、神よ
その人 なので 許す 神
Pie Jesu, dona eis requiem 慈悲深き主イエスよ、彼らに安息を与えてください
慈悲深き イエス 与える 彼らに 安息を
4. Offertorium ☆奉献唱☆
キリストへの感謝を示し、パンと葡萄酒を聖壇に捧げるための言葉。
Domine Jesu(主、イエスよ)
Domine, Jesu Christ, Rex gloriae, 主、イエス・キリストよ、栄光の王よ!
主 イエス・キリスト 大王 栄光の
libera animas omnium fidelium defunctorum 全ての死せる信者の心を救いたまえ
解放する 魂 全ての 信者 死んでいる
de poenis inferni et de profundo lacu. 地獄の罰と底知れぬ深淵から
から 罰 地獄 と から 底のない 深淵
Libera eas de ore leonis, 彼らをライオンの口から救いたまえ
解放する 彼らを から 口 ライオン
ne absorbeat eas tartarus, 深淵が彼らを飲み込んでしまいませんように
なりませんように 飲み込まれる 彼らを 深い闇
ne cadant in obscurum. 彼らが闇の底に落ちてしまいませんように
なりませんように 落ちる に 暗闇
Sed signifer sanctus Michael そうではなく、旗手聖天使ミカエルが
ではなく 旗手 聖なる ミカエル
repraesentet eas in lucem sanctam. 聖なる光の道に導いてくださいますように
導いてくれる 彼らを ~に 光 聖なる
Quam olim Abrahae promisisti et semini ejus. かつて、あなたがアブラハムとその子孫に約束されたように
のように かつて アブラハム 約束した と 子孫 彼の
Hostias(いけにえ)
Hostias et preces, tibi, Domine, laudis, offerimus, 主よ、いけにえと祈りをあなたに捧げます
いけにえ と 祈り あなたに 主 讃え 捧げる
tu suscipe pro animabus illis. 彼らの魂を受け入れてください
あなたは 受入れる ために 魂 彼らの
Quarum hodie memoriam facimus. 私たちが今日思いを馳せた人たちの
~した人 今日 思い出す 私たち
Fac eas, Domine, de morte transire ad vitam. 死を生へと転じさせてください
お願い 彼らを 主 から 死 変える へ 生
Quam olim Abrahae promisisti et semini ejus かつて、あなたがアブラハムとその子孫に約束されたように
5. Sanctus ☆聖なるかな☆
Sanctus(聖なるかな)
ヨハネの黙示録に残る、天使セラフィムが発したとされる言葉。三位一体の象徴として必ず3回唱えている。
Sanctus, Sanctus, Sanctus. 聖なるかな、聖なるかな、聖なるかな!
Dominus Deus Sabaoth. 万軍の主である神よ
主 神 万軍
Pleni sunt coeli et terra gloria tua. あなたの栄光で天と地は満ち溢れます
満ちる である 天 と 地 栄光 あなたの
Hosanna in excelsis. いと高きところにホザンナ(万歳・栄光あれ)!
Benedictus(ほむべきかな)
キリストがエルサレムに入る時に群衆が歓迎として発した言葉。ホザンナはヘブライ語。
Benedictus qui venit in nomine Domini. 主の御名によって来る方(キリスト)に祝福がありますように
祝福される 人が 来る により 名前 主
Hosanna in excelsis. いと高きところにホザンナ(万歳・栄光あれ)!
6. Pie Jesu ☆慈悲深いイエス☆
Pie Jesu, Domine. Qui tollis peccata mundi. 世の罪を除いて下さる慈悲深いイエス・キリストよ
慈しみ深きイエス 主 する人 取り除く 罪 世界
Dona eis requiem sempiternam. 彼らに永遠の安息を与えて下さい
与える 彼らに 安息 永遠の
7. Agnus Dei ☆平和の讃歌☆
神の子羊とはキリストのこと(洗礼者ヨハネがキリストを指して言った言葉にちなむ)
通常のミサでは「私たちに平安を(Dona nobis pacem)」と謳われる言葉は、レクイエムでは「彼らに安息を」と変更されている。
Agnus Dei, qui tollis peccata mundi. 世の罪を除いて下さる神の子羊よ
子羊 神の する人 取り除く 罪 世界
Dona eis requiem sempiternam. 彼らに永遠の安息を与えて下さい
8. Communio ☆聖体拝領唱☆
ミサにおいて、信者がパンを拝領する時に歌われる言葉である。
Lux aeterna luceat eis, Domine. 彼らに永遠の光を与えてください、神よ
光 永遠の 照らす 彼らを 主
Cum sanctis tuis in aeternum quia pius es. あなたの聖人とともに永遠に、あなたの慈悲により
一緒に 聖人 あなたの ~に 永遠 ~だから 慈悲深い である
Requiem aeternam dona eis, Domine, 主よ、彼らに永遠の安息を与えてください
et lux perpetua luceat eis. そして絶えることのない光が彼らの上を照らしますように
9. Absolutio ☆赦祷唱☆
ミサの終了後に歌われる。今一度、最後の審判の恐怖を思い起こし、自分と死者の平安を祈る。
Libera me, Domine, de morte æterna, 永遠の死から私をお救い下さい、主よ
解放する 私を 主 から 死 永遠の
in die illa tremenda. その恐ろしい日に
に 日 その 震えるような
Quando cœli movendi sunt et terra, 天も大地も揺らぎ
の時 天 揺れる である と 地
Dum veneris judicare sæculum per ignem. 神が炎をもってこの世を裁こうとするその日
の時 来る 裁く この世 により 炎
Tremens factus sum ego et timeo, 私は震え、そして恐れます
震える ~になった 私 と 恐れる
dum discussio venerit atque ventura ira. 裁きと、その後に来る怒り時を
の時 判決 来る さらに 起こる 怒り
Dies illa, dies iræ その日は怒りの日
Calamitatis et miseriæ, 災禍に打ちひしがれ
災い と 不幸
dies magna et amara valde. 大いなる嘆きが訪れる
日 大いなる と 苦しい とても
Requiem aeternam dona eis, Domine, 主よ、彼らに永遠の安息を与えてください
et lux perpetua luceat eis. そして絶えることのない光が彼らの上を照らしますよう
10. In Paradisum ☆天国にて☆
ミサ終了後、出棺の時に歌われる曲。神ではなく、弔われる方に向けて呼びかける言葉となっている。
In Paradisum deducant te Angeli; 天使たちがあなたを天国へと導いてくださいますように
~へ 天国 導く あなたを 天使
in tuo adventu suscipiant te martyres そこに着いた時には殉教者(聖人)たちが迎え入れ
~に あなたの 到着 受入れる あなたを 殉教者たち
et perducant te in civitatem sanctam Jerusalem. 聖なるエルサレムの街へと導かれますように
そして 導く あなたを ~へ 街 聖なる エルサレム
Chorus Angelorum te suscipiat, 天使たちの合唱があなたを迎えてくださいますように
合唱 天使たちの あなたを 受入れる
et cum Lazaro quondam paupere, そして、地上では貧しかったラザロと共に
そして 一緒に ラザロ かつては 貧しい
æternam habeas requiem. 永遠の安らぎを持つことが出来ますように
永遠の 持つ 安息
*この対訳は、複数の日本語の対訳サイト、複数の英語対訳サイト、日本語及び英語の教会または教会関係者のサイトを参考に、多くを単語ごとにラテン語→英語に訳した上で意味を確認しながら作成したものです。但し、作成者は宗教、歴史の専門家ではないため、完全な解釈に至っていない部分もあります。また、新たな情報や理解を得て対訳や補足説明文を修正することがあります。その場合、修正箇所・履歴の告知は行いません。